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複雑な課題領域における理想的な学習モデルについて考察する

がくちょうです。

今回は、タイトルの通り

複雑な課題領域において、どのような学習モデルが理想的か

を考察していこうと思います。

単純な課題領域と、複雑な課題領域

まずは、そもそもの

単純な課題領域と複雑な課題領域の違い

について、考察していきます。

分かりやすいように、先に具体的な例を列挙しておきましょう。

単純な学習領域の事例

  • 特定の料理をレシピ通りに創れるようになる
  • 指定のマニュアル通りに接客や対応ができるようになる
  • 毎日マニュアルに従ってSNSの投稿を作成する
  • サッカーのフリーキックが上手くなる
  • 転売でお金を稼げるようになる

複雑な学習領域の事例

  • 食べた人が感動するような料理を作れるようになる
  • 超繁忙店でお店を回せる
  • SNSでバズる投稿が創れる
  • サッカー全体が上手くなる
  • 自分でゼロからビジネスを企画してお金を稼げるようになる

上記のように違いを表現できそうです。

では次に、両者の違いを抽象的に整理してみましょう。

ゴールの不明瞭さ

まず、複雑な課題には「ゴールの不明瞭さによって、取り組むべき成長ルートが絞り込みづらい」という特徴が挙げられます。

単純な課題領域は「ゴール状態が明確で、達成するための成長ルートをほぼ1つに絞り込める」が、複雑な課題領域は「ゴール状態が不明瞭で、達成するための成長ルートが複数ある」

と表現できそうですね。

例えば「サッカーのフリーキックが上手くなる」については、ゴール状態は「フリーキックを蹴ってゴールできるか」という明確な1点に絞れますし、それを達成するための方法=成長ルートとしては「速くて正確なキックをできるようになる」というほぼ1つに絞り込めます。

しかし、「サッカー全体が上手くなる」となると、ゴール状態は非常に不明瞭になります。サッカーが上手いケースとして、得点力がある場合もあれば、ディフェンスやゲームメイクが上手い場合もあるからです。結果として、それを達成するための方法も「シュートが上手くなる」「ディフェンスが上手くなる」など多岐にわたるため、成長ルートを1つに絞り込めません。

このため、講師側も「この生徒のフリーキックを上達させてください」と言われると簡単に教えられるのですが、「この生徒にサッカーを上手くしてください」と言われると途端に困ってしまい、才能に頼る部分が大きくなってしまうわけです。

同じように生徒側も、「フリーキックが上手くなってください」と言われるとすぐに行動できるのですが、「サッカーが上手くなってください」と言われると何をしたらいいのか分からなくなりがちです。

 

この場合、学習者は

  • すぐに特定のゴールにしか通用しないような専門的な技術を身につけるよりも、最初は汎用性が高い基礎技術から練習しながら、原理原則を理解していくべき(基礎技術の習得と原理原則の理解)
  • 自分の適性に合った最適なゴールと成長ルートを、トライエラーを繰り返す中で経験と感覚から見つけ出していくべき(理想のゴール像の明確化)

という2つの学習方法を求められます。

サッカーで言えば、すべての基礎となる「トラップ」「キック」「コーチング」などの技術を徹底的に向上しつつ、様々なポジションを経験することで自分にマッチした最適な「目指すべき選手像」を見つけ出すようなイメージです。

指導側の目線で言えば、学習者が高い基礎技術と原理原則を身につけ、目指すべき選手像が明確になった時に、初めて「こんな選手を目指すなら、こういう成長ルートに真剣に取り組んだ方が良いよ」と具体的な進路指導をしていくべきなのです。

これらは実際に、一流のサッカー選手を育成するようなシーンでも実行されています。

手順の不明瞭さ

次に、「手順の不明瞭さによって、向上するべきスキルにフォーカスしづらい」という特徴が挙げられます。

単純な課題領域は「やるべきことの手順が明確で、取り組むべき課題を絞り込みやすい」が、複雑な課題領域は「やるべきことの手順が不明瞭で、取り組むべき課題を明確にしづらい」

と表現できそうですね。

例えば「マニュアル通りの接客や配膳ができるようになる」については、どのような手順で行えば良いかが明確にできるため、自分がどこで詰まっているか、次にどんなスキルを向上すれば良いかもすぐに絞り込めます。

しかし、「超繁忙店でお店を回せる」という課題になると、手順は不明瞭でケースバイケースになり、達成できていない時に「何から改善すればよいか」「どのスキルにフォーカスすればよいか」が絞り込めません。

このため、講師側も「このアルバイトをマニュアル通りに接客できるようにしてください」と言われると簡単に教えられるのですが、「このアルバイトを超繁忙店でも回せるようにしてください」と言われると途端に困ってしまい、やはり当人の器量などに頼る部分が大きくなってしまいます。

 

この場合、学習者は前述した「高い基礎技術と原理原則の理解」「自分が目指すべき理想のゴール像の明確化」をクリアした上で、さらに

  • 連続的かつ同時多発的に発生しているように見える課題を分解し、自分が目指すべき理想のゴール像に向けて、何をどの順番でできるようになるべきかを整理するべき(専門的技術の重みづけ)
  • 自分の現状を正確に把握し、今は何ができていないからどのスキルにフォーカスするべきかをイメージするべき(現状把握とスキルフォーカス)

という2つの学習方法を求められます。

アルバイトで言えば、超繁忙店の厨房の中で発生している「皿洗い」「調理」「品出し」「補充」「注文の処理」「他業務のサポート」などの膨大な業務の中で、優先度が高いスキルを整理していき、その中で客観的に見て自分に足りないスキルが何なのか?を把握したうえで、そのスキルにフォーカスして実践の中で習得していくようなイメージです。

指導側の目線で言えば、従業員に基礎技術と原理原則を習得させ、適正の高いポジションにマッチさせるという第一段階をクリアしたうえで、さらにそのポジションにおける専門的な課題の優先度を整理して伝え、相手の現状を正確にフィードバックしながら、その従業員が最も優先的に習得するべきスキルにフォーカスさせて毎日の業務に取り組ませる必要があります。

これらは実際に、リーダー人材の育成現場などでも行われている手法です。

状況の多様さ

次に、「状況の多様さによって、勝ちパターンも一定ではない」という特徴が挙げられます。

単純な課題領域は「状況が固定的で、勝ちパターンも一定である」が、複雑な課題領域は「状況が多様なため、勝ちパターンも一定ではない」

と表現できそうです。

例えば「転売でお金を稼げるようになる」という課題なら、取り組む人によって成功方法が大きく変化することが無く、特定のツールを使いこなしたり、仕入れルートを確立することができれば勝ちパターンも一定のものに固定できます。

しかし、「自分でゼロからビジネスを企画してお金を稼げるようになる」という課題領域になると、どんなビジネスを企画するべきか?どんな方法で顧客を獲得するべきか?などは非常に流動的で、世の中の状況や自分の状況によっても大きく変わってきます。

そのため、人によって成功方法=勝ちパターンというのが微妙に変化してしまい、特定の手法を全員に押しなべて展開することができません。

言い換えると、上手くいっている人を形だけ真似しても、自分は上手くいかないという事が多発することになります。

 

この場合、学習者は

第一段階である「高い基礎技術と原理原則の理解」「自分が目指すべき理想のゴール像の明確化」をクリアした上で、

さらに第二段階である「専門技術の重みづけ」と「現状把握とスキルフォーカス」が実践できているという前提も満たして、なおかつ

  • 様々な成功方法や勝ちパターンのサンプルを試す中で、今の自分にとって最適な方法論に辿り着くべき(自分なりの勝ちパターンの確立)

という学習方法を求められます。

「自分でゼロからビジネスを企画してお金を稼げるようになる」というジャンルであれば、学習者は

まず「マーケティング」という基礎技術を高めたり「ビジネスの原理原則」を理解していきつつ、様々な方向性を試して「どんな稼ぎ方を目指すか」というゴール像を明確にしなくてはいけません。これが第一段階。

次に「目指すゴール像に必要なスキル」を整理し、自分の現状を正しく把握して、自分にとって最も重要なスキルにフォーカスして毎日のやるべきことを決め、取り組んでいく必要があります。これが第二段階。

そして、それが例えば「自分は顧客を絞り込むスキルが必要だ」とフォーカスできたとしても、そこから具体的な方法論として「どうやって顧客を絞り込むか?」については、様々な成功方法を試していく中で、自分にとって有用な勝ちパターンを見つけ出していく必要があるのです。

 

指導側の目線で言うと、まずは学習者に基礎技術と原理原則を習得させ、理想のゴール像を明確にさせるという第一段階をクリアする必要があります。

次に、そのゴール像に向かうための成長ルートにおける専門的な課題の優先度を整理して伝え、相手の現状を正確にフィードバックしながら重要なスキルにフォーカスさせて日々の実践に取り組ませるという第二段階をクリアします。

そして最後に、各スキルの習得を目指す学習者たちが、様々な具体的方法論を試す中で、自分に合った勝ちパターンを見つけ出せるように補助していく必要があるという事です。

課題が複雑化していることによって、最適な学習方法も複雑化していることが分かります。

達成度の不明瞭さ

そして最後に、ここまで説明してきたような学習方法について、

一方通行で終わらない

という特徴があります。

単純な課題は手順を①~⑩に設定したら、順番に下から取り組んでいけば戻ることはありません。

しかし、複雑な課題の場合は、進捗する中で

  • やはり基礎技術の習得に戻った方が良いのではないか
  • 目指すべきゴール像を変更するべきなのではないか
  • もう一段階手前の専門技術に戻るべきなのではないか

などの、手前に戻っていく動きが発生します。

つまり、全体の学習過程の中で自分がどこに重点を置くべきか?についてすら、常に再検討していく必要があるという事です。

複雑な課題領域における理想的な学習とは

さて、整理してみましょう。

複雑な課題領域における学習については、下記のような学習方法が理想的ではないか?と言えると思います。

  1. すぐに特定のゴールにしか通用しないような専門的な技術を身につけるよりも、最初は汎用性が高い基礎技術から練習しながら、原理原則を理解していくべき(基礎技術の習得と原理原則の理解)
  2. 自分の適性に合った最適なゴールと成長ルートを、トライエラーを繰り返す中で経験と感覚から見つけ出していくべき(理想のゴール像の明確化)
  3. 連続的かつ同時多発的に発生しているように見える課題を分解し、自分が目指すべき理想のゴール像に向けて、何をどの順番でできるようになるべきかを整理するべき(専門的技術の重みづけ)
  4. 自分の現状を正確に把握し、今は何ができていないからどのスキルにフォーカスするべきかをイメージするべき(現状把握とスキルフォーカス)
  5. 様々な成功方法や勝ちパターンのサンプルを試す中で、今の自分にとって最適な方法論に辿り着くべき(自分なりの勝ちパターンの確立)
  6. 上記を行いながらも、自分がどの学習段階に重点を置くべきか?について常に再検討して、自らを再配置していくべき(学習過程の再配置)

以上、6つの特徴に整理しました。

 

これらの特徴を支援するような学習システムを、安価に提供できれば、21世紀に行き詰った教育業界にイノベーションを起こせる可能性があります。

上記をふまえて、サービスの実装に移っていきたいと思います。

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