がくちょうです。
今日は、私がこれまで8年間に渡って実施してきた「オンラインサロン」というサービスに対して、現状で私が考えていることや、今後の展開についての考察を行っていきたいと思います。
リアルユニバースとメタユニバース
まず、私の大前提の考え方として、
リアルユニバースよりもメタユニバースの方が再選択性と構築性が高いため、精神的な充足活動においてはメタユニバースを中心に展開されるべきだ
という思想があります。
リアルユニバースとは、物理的制約のある実体を持った世界のことで、これまでは「世界の全て」だと思われてきたものを総称しています。
それと比べて、メタユニバースとは「物理的制約から解放された実体を持たない世界」のことで、現在はインターネットやゲームを中心に展開される「もう1つの人間的活動が行われている場所」を指しています。
そして前述した「精神的な充足活動においてはメタユニバースを中心に展開されるべき」というのは、簡略に言ってしまうと
物質的な制約が必須である物事以外は、メタユニバース上で行った方がメリットが大きい
という意味です。
学校は現実世界(リアルユニバース)に必要か
分かりやすいように、「学校」で考えてみましょう。
何かの知識を学んだり、身につけたりしたいと考えた時に、例えばですが指定のVRゴーグルを付ければ目の前が学校になっていて、ゴーグルをつけている全員で同じバーチャル空間を共有できるとしたら?
少なくとも、算数や国語の授業は十分に受けられそうなのはイメージできると思います。
でも、家庭科や体育の授業は難しいでしょう。
もちろん、修学旅行も無理です。
それらは「物質的な制約が必須である物事」に該当しますね。どれだけボールを投げたと思っても、身体が動いていなければ筋肉は発達しませんし、痛みも覚えられません。
これは言い換えると、「人間の身体センサーによる高度な受信と、神経による精密な身体操作が必要な分野」に関しては、リアルユニバースにおいて実行する合理性が高いという事です。
恋愛だけならメタユニバースでも実行できますが、スキンシップやSEXはリアルユニバースで行った方が良いでしょう。
なぜならそれらは「人間の身体センサーによる高度な受信と、神経による精密な身体操作が必要な分野」だからです。
学校がリアルユニバースにあることのデメリット
では上記を踏まえて、改めて学校がリアルユニバースにあるべきか?という点について考えてみます。
学校がリアルユニバースにあることで、我々は学校に「通学」しなくてはいけません。メタユニバースにあれば世界中から好きな学校を選び、通い、そして自分に合わなければ翌日に別の学校に再入学することも可能なのに。
学校がリアルユニバースにあることで、遠くの学校に通うために電車に乗ったり、近くの学校の風紀が荒れていてもイヤイヤ通ったり、いじめっ子と離れるためだけに転校したり、望んだ学校に入るためにわざわざ引っ越したりしなくてはいけないのです。
どう考えても、学校という存在はメタユニバースにある方が合理性が高いのが分かります。
21世紀はメタユニバースとリアルユニバースを使い分ける社会になる
でも、先ほど言ったように、人間の活動には
「人間の身体センサーによる高度な受信と、神経による精密な身体操作が必要な分野」
と
「それ以外」
が存在しています。
そして、現代の学校は「メタユニバース」という概念が存在する前に完成している社会システムなので、それらを切り分けて設計されていません。
だから、学校で国語と算数だけでなく、音楽や体育や修学旅行を行う仕様になっています。
しかし、どう考えても「国語と算数」は「それ以外」に該当しており、リアルユニバースで展開する合理性が極めて低い分野です。
つまり、国語と算数を学ぶ場所はメタユニバース上で展開し、音楽や体育や修学旅行はリアルユニバース上の別の場所や機会で行うという風に分解した方が、全員にとって合理性が高い社会になる可能性が高い。
このように、現代社会は「メタユニバース」という概念が社会に実装されてきているにも関わらず、社会システムとのズレが発生している状態になっています。
この問題は、
①今後、徐々に「人間の身体センサーによる高度な受信と、神経による精密な身体操作が必要な分野」以外の分野において、「メタユニバース上で展開した方が合理性が高い」という風な認識が一般化していき、メタユニバース上に活動が移動していく
②そもそも、メタユニバース上において「人間の身体センサーや身体操作を再現できる精度」が高まっていくことで、メタユニバース上で展開した方が合理性が高い分野自体が広がっていく
という2つの方向性から、21世紀において全体がメタユニバース上に移動していく事で解決されていくと思われます。
例えば、コロナの影響で既に「対面が必須だ」と妄信されていた「営業活動」などの大部分が、メタユニバース上に移動しました。これは①の現象に該当します。
おそらく、このまま現代の仕事の多くがメタユニバース上に移動していくでしょう。
そして、例えばですが「医療手術の研修」をロボットやVRを使用して実現するような事例も出てきています。これは②に該当しています。
今後も、メタユニバース上で再現できることが増えれば、リアルユニバースよりも合理性が高いと判断される物事は増え続けていくでしょう。
メタユニバースとファーストペンギン村
私はオンラインサロンを8年間やってきた中で、何度か
人間の精神的な充足活動のほとんどが、メタユニバース上で先に行われた方が合理性が高い
という話をしてきました。
例えばですが、誰かと結婚して一緒に住むというのまでメタユニバース上で完結するというのは、現代社会では難しいでしょう。
でも、「仮想共同生活」というテーマで1か月間誰かとメタユニバース上で生活をしてみる、ならできるかもしれません。
そして、そこで価値観や文化的な共有度が高い人を見つけてから、リアルユニバースで結婚する。
これだと、結婚後の不一致が少なくなりそうですよね。
メタユニバース上での活動は、再選択性と構築性が高いため、何度も選び直しができたり、自分に合う場所を創り出したりすることができます。
結果としてリアルユニバースよりも、選択の自由度が圧倒的に高い。
だから、例えばマッチングアプリなども、今は「リアルユニバースでデートすることを前提に、オンラインで人をカタログ化しただけ」の状況ですが、今後はそのまま「メタユニバース上でデートする」「メタユニバースで1週間一緒に暮らす」という風なことが可能になっていくでしょう。
そして、マッチ度が高くて「リアルユニバースでも一緒に暮らしたい」となって最後の最後に、リアルユニバースに活動が移行する。
どう考えても、このシステムの方が全体にとって合理性が高いです。
OSの書き換えをメタユニバース上で行う
上記のような考えのもと、私は
人間は自分の周りにある言語情報によって、自分の中にあるOS(オペレーションシステム)が形成されていくが、その「周辺言語情報」を操作するのはリアルユニバースではコストが高くなる
という風な現代社会の課題を見つけました。
簡易な表現をすると、
周りがネガティブだと自分もネガティブになるやん、でもポジティブになろうとしたら「ポジティブな集団」を見つけて自分から飛び込んで馴染まなあかんやん、それってめっちゃハード。ぶっちゃけ無理。
という感じです。
クソみたいな職場に汚染された状態を抜け出すためには転職が必要だし、会社員とばかり接していたらフリーランスとしての考え方は身に付きません。
行動変容のためにはOSの書き換えが必要であり、OSを書き換えるためには周辺言語情報を変更する必要がありますが、リアルユニバースでそれを実行するのは難しいのです。
そのために、ファーストペンギン村を創りました。
残念ながら行動習慣変容プログラムという市場は存在していないため、社会に実装できない問題
上記のような思想と設計は、実際にある程度機能しました。
ファーストペンギン村では「ミッション」という課題に取り組ませることで、特定の指向性のある行動を促しており、そこに長期間所属することで、所属メンバーにとっての「周辺言語情報」が変更されていき、結果としてOSが書き換わり、その先に行動習慣の変容が発生してきています。
しかし、残念ながら、そもそもリアルユニバースにさえ
行動習慣の変容プログラム
という市場が存在していません。
リアルユニバースに市場が存在しないため、メタユニバースに移動したことで課題の解決は実現できても、市場が無いことでマネタイズが難航してしまいます。
ホモサピエンスは知能が低いため、「行動習慣の変容」というものの価値を大部分の人口が理解できないのが現実です。
結果として、非常に運営や販売が難しく、構築の難しさによって社会に実装できないという課題にぶつかっています。
メタユニバースとリアルユニバースをどこまで接続するべきか問題
さらに、設計として
メタユニバースのメリットを享受するためには、メタユニバース上で行動が一定量まで完結する必要がある
という部分が実装できていません。
先ほどのマッチングアプリでも言いましたが、例えば
オンラインでたくさんの人を見比べて選ぶのって大変だから⇒マッチングアプリというメタユニバース上でたくさん見比べるのが合理的⇒でもその後はすぐにリアルユニバースでデートしないといけない
となってしまうと、結局コストが最も高い部分がメタユニバース上に移動していない状態になってしまいます。(だからマッチングアプリが普及したのに婚活地獄が終わらないわけです)
これはファーストペンギン村でも同じで、せっかく行動習慣の変容を目指して村に入っても、すぐに「リアルユニバースで何か挑戦しろ」という風に接続してしまっているため、メタユニバースの利点を失ってしまっています。
「ファーストペンギン村2.0」に向けて
上記の問題から、ファーストペンギン村2.0への戦略として2つ考えていることがあります。
コアバリューの変更
現在のコアバリューは「周辺言語情報の更新⇒OSの書き換え⇒行動習慣の変容」という「行動習慣の変容プログラム」です。
しかし、前述したように、ここには市場がありません。
そこで、中心になるコアバリューを「オンラインに収入源を創る」に変更しようと考えています。
仕事を「価値提供して報酬を受け取る」という活動だと定義するなら、メタユニバース上に仕事という活動を移動する、というイメージです。
推奨する行動をメタユニバース上で完結する形に変更
上記と合わせて、ファーストペンギン村でユーザーに推奨する活動自体を、「メタユニバース上で完結する」ように調整することを考えています。
実は、収入源を得るという活動に関しては、既にメタユニバース上で実現が可能な領域になってきています。
少なくとも、フリーランスとしてのビジネス活動においては
「人間の身体センサーによる高度な受信と、神経による精密な身体操作が必要な分野」
とは言えず、ほぼ全てが「それ以外=メタユニバース上で実行できる活動領域」になっています。
そこで、これまで「ミッションシステム」として提供してきた「行動習慣変容のためのプログラム」というのはサブバリューとして設置する形に変更し、メインを
オンラインで収入源を創るために村の中で完結できる「フリーランス育成プログラム」
に変更します。
これは、
- 村に入ったら「フリーランス育成プログラム」に全員が参加する
- フリーランス育成プログラムは、基本的に村というメタユニバース上で全てが完結する仕組みになっている
という事です。
そして、上記のプログラムを補完し、必要な行動習慣を形成するための支援プログラムとして「ミッションシステム」も継続します。
上記方針に基づいて、ファーストペンギン村2.0を構築していきたいと思います。